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珍妃の井戸

20050827101806

「珍妃の井戸」
浅田 次郎著
講談社文庫

列強諸国に蹂躙され、後輩した清朝最末期の北京。
その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。
皇帝の寵愛を一身に受けた美しい妃は、何故、誰に殺されたのか?
犯人探しに乗り出した日英独露の高官が知った、あまりにも切ない真相とは、、、。
~裏表紙より~



だいぶ前に発売されていて、ずっと気になっていた本ではあったのですが、
本を見かけるときには別の本を読んでいて、ずっと縁がなかった本でした。
つい先日読む本がない、と本屋へぶらりと立ち寄った時一番最初に見つけたので、
これはめぐり合わせでしょと直ぐに購入しました。

「珍妃」というのは光緒皇帝の妃の1人。
名前からも分かるように、珍しいくらいの美貌をもった妃でした。
美しくかつ聡明な彼女は皇帝に寵愛された。
その妃が誰かに殺された
犯人は誰?というミステリーのような構成ですが、実際はミステリー感覚では
なかったです。

この物語の背景には義和団連動と八ヶ国連合軍の北京侵攻という歴史の事実があり、
八ヶ国連合軍が北京を陥落させた直前、西太后が西安に逃れ、
その混乱の中で起こった事件。
この事件は中国では常識のようですが、私は聞いたことがあるなぁ、程度でした。
中国との歴史認識の違いなのか、それとも自国・他国の違いなのか

この本ではもちろんこの事件は常識という書き方はしていないので、
まず、ミセスチャンという謎の女性(美女)が出てきます。
この女性によって、謎解きに借り出された各国の高官たちが真実を探すという話です。
まずは新聞記者の話を聞き、それから現場にいたと思われる人たちに
話を聞いていくのですが、
犯人は八ヶ国連合によって殺害される」という勝手な判断があるせいか、
話を聞くものの中には自分に不都合なものを犯人と仕立てようとするフシがあり、
なかなか辻褄があわない。
最後には皇帝自身にも謁見を求め、話を聞くのですが、その真実とは、、、。

構成的には「ニューヨーク・タイムズ駐在員 トーマス・E・バートン氏の証言」というように、
一人ひとりの証言をピックアップした形になっていて、
自分が証言を得ているような感覚になります。
皇帝にたどり着くまでの証言を読んでいくと、その場にいた人物は大体一致するものの、
その時の様子や言動は違ってくる。
混乱の最中だった、という所為もあるのでしょうが、それ以上に人によって、
立場によって、記憶というものは変わってくるんだなぁと思える小説でした。
決してそれぞれが嘘をついているわけではないのです。
普段は気づかなくても、実際問題こういった真実の違いってでてきますよね。
普段の友達との会話でもそうだったっけ?って思うことってありませんか?
そんな感じです。

最後に皇帝の話を聞くのですが、犯人は誰?というよりも、皇帝の珍妃への深い愛
そして珍妃の皇帝への深い愛を知る証言でした。
(「」と言っても「」ではないんですよ。 日本語で言えば側室ですかね?)
私はミステリーとして読んだのではないんですが、ミステリーとして捕らえるのであれば、
犯人はお前だ」的な終わりではなく、深く考えさせられる最後でした。
愛新覚羅ミュージカル李香蘭の川島芳子も溥儀もこの一族ですよね。)の
皇帝のとした姿がとても素敵でした。。。

中国語の響きって、昔からすごく好きだったんですがこの話の中で
再見」~再び見ゆ~
という言葉にとても惹かれました。
何度も何度も出てくる言葉なんです。
今までは「またね、」ぐらいにしか受け取っていなかったんですが、
とても深い意味がこめられていて、じーーーんとしてしまいました。

李香蘭の川島芳子も最後に香蘭にこう言ったのかもしれませんね。
再見」、と。
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テーマ: 本の紹介 | ジャンル: 小説・文学
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コメント

柴さん こんにちは
『珍妃の井戸』たのしそうです。
とりあえず買ってみました♪

読了の暁にはぜひお喋りさせてくださいねー。

2005/09/04 (Sun) 10:12 | とーふ #cvllsCI. | URL | 編集
ぜひ

とーふさん、いらっしゃい♪
結構面白かったですよ、読み終わったら是非感想を!!!
これはキャッツ当日並びながら読みました!

2005/09/04 (Sun) 10:41 | 柴 #e2xIBKiE | URL | 編集

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